HACCPのあゆみ
安全な食品の製造方法に新たな考え方が商業ベースで導入されたのは、アメリカにおいて低酸性缶詰の適正製造基準(GMP)にHACCPに基づいた衛生管理が取り入れられたことに始まり、各国でもHACCPの考え方が広まりました。
わが国でも 1990 年に「食鳥処理場における HACCP 方式による衛生管理指針」が策定され、1996 年には「総合衛生管理製造過程」による食品の製造が一部の業種によりスタートしました。
各国でさまざまな取組みが進むなか、食品の公正な貿易の確保を目的の一つとするコーデックス委員会において、1993年にHACCP適用のガイドラインが発表され、各国においてHACCPに基づいた衛生管理が進められるようになりました。また、2003年には小規模な事業者に配慮したHACCPのガイドラインが改訂され、柔軟な導入が推進されることとなりました。
食品安全の国内外へのアピール
近年の食品流通の更なる国際化や、食品製造の現場での外国人労働者の増加、訪日外国人観光客 の増加、東京オリンピック・パラリンピックの開催等を見据え、食品衛生管理の水準が国際的に見ても遜色のないことを、国内外に示していく必要性が高まってきています。
諸外国でも導入が進められ、食品の衛生管理の国際標準となっているHACCPによる衛生管理について、制度として位置付け、定着を図っていくことが必要と考えられています。
- 食品ごとの特性や、事業者の状況等を踏まえつつ、実現可能な方法で着実に取組を 進めていくことが重要である。
- 依然として多くの食中毒の原因が、現在の規制で定められている一般衛生管理の実施の 不備によるものであり、施設設備、機械器具等の衛生管理、食品取扱者の健康や衛生の 管理等の一般衛生管理についても、着実に取り組んでいくことが、食品の安全性を確保 するためには不可欠である。
対象となる事業者
フードチェーンを構成する食品の製造・加工、調理、販売等を 行う食品等事業者
主な製造・加工業
- 菓子製造業
- あん類製造業
- アイスクリーム類製造業
- 乳処理業
- 特別牛乳搾取処理業
- 乳製品製造業
- 食肉処理業
- 食肉製品製造業
- 魚肉ねり製品製造業
- 食品の冷凍又は製造業(冷凍食品の製造業)
- 食品の放射線照射業
- 清涼飲料水製造業
- 乳酸菌飲料製造業
- 氷雪製造業
- 食用油脂製造業
- マーガリン・ショートニング製造業
- みそ製造業
- しょうゆ製造業
- ソース類製造業
- 酒類製造業
- 豆腐類製造業
- 納豆製造業
- めん類製造業
- そうざい製造業
- 缶詰・瓶詰食品製造業
- 添加物製造業
主な調理業
- 飲食店営業
- 喫茶店営業
- 学校・病院等の集団給食施設
主な販売業
- 食肉販売業
- 魚介類販売業
- 魚介類せり売営業
- 乳類販売業
- 氷雪販売業
主な保管業
- 食品の冷凍又は冷蔵業(冷凍食品の製造業を除く)
- 集乳業
※上記は主な業種を抜粋したものです
※現行の食品衛生法の許可業種(34業種)に限らず、全ての食品等事業者を対象として、検討されています。