危害要因(Hazard)とは
健康に悪影響(危害)をもたらす原因となる可能性のある食品中の物質または食品の状態のことです。ハザードともいいます。有害な微生物、化学物質、硬質異物などの生物的、化学的または物理的な要因があります。
生物的危害要因となるもの
- 病原細菌:サルモネラ属菌や腸炎ビブリオなど
- 腐敗微生物:バシラス属やクロストリジウム属など
- ウイルス:ノロウィルスなど
- 寄生虫:肝吸虫や横川吸虫など
- 病原微生物:赤痢菌やコレラ菌など
化学的危害要因となるもの
- カビ毒
- 重金属
- 食品添加物
- 農薬
物理的危害要因となるもの
- 異物混入
危害要因分析 (Hazard Analysis)とは
危害とその発生条件についての情報を収集し、評価することにより、原料の生産から製造加工および流通を経て消費に至るまでの過程における食品中に含まれる潜在的な危害要因を、その危害要因の起こり易さや起こった場合の重篤性を含めて明らかにし、さらに各々の危害要因に対する管理手段を明らかにすることです。
危害要因分析の手順
- 原材料/ 工程を洗い出す
- [1]で予想される危害要因を考える
- 重大な危害要因かどうか(Yes/No)
*Yes:予防、除去・低減が必要で、重大な危害要因である - [3]の判断をした根拠は何か
- [3]で(Yes)とした場合、危害要因の管理手段はどうだったか
- CCP か(Yes/No)
*重要管理点(危害を防ぐためのチェックポイント)
危害要因分析を行うことで、全従業員で同じ危険要因を共有することができたり、どの危害要因への対応が優先なのかを明確化できたりします。起こり得る問題を予め分析し、その対策を定めることができるため、万が一問題が起きた際に、早急な対応をとることができます。
【参考/引用文献】
・HACCP入門のための手引書 | 厚生労働省
・HACCP関連情報データベース | 一般財団法人食品産業センター
・HACCPによる危害分析(危害要因分析)とは? | 一般財団法人石川県予防医学協会