畜産農場における家畜・畜産物の安全性向上のためには、各畜産農場の衛生管理を強化し、健康な家畜を生産していくことが大切です。そのため、農林水産省では、HACCPの考え方を取り入れた飼養衛生管理を推進しており、平成23年12月より「農場HACCP認証」による審査が開始されました。

HACCP(ハサップ)とは、アメリカのNASAが考案した衛生管理の方法です。万一、宇宙空間で食中毒が発生してしまうと治療もできず、死活問題であることから、食中毒を起こさない為の高度な衛生管理が必要でした。そこで、NASAが考案したのがHACCPです。
製造工程のどの段階で、どのような対策を講じれば危害要因を管理(消滅、許容レベルまで減少)できるかを検討し、その工程(重要管理点)を定めます。そして、この重要管理点に対する管理基準や基準の測定法などを定め、測定した値を記録します。これを継続的に実施することが製品の安全を確保する科学的な衛生管理の方法です。この手法は、国連食糧農業機関(FAO: Food and Agriculture Organization)と世界保健機関(WHO: World Health Organization)の合同機関であるコーデックス委員会から示され、各国にその採用を推奨している国際的に認められたものです。

農場HACCPについて

対象農場

農場HACCPの対象となる農場は以下のとおりです。

・乳用牛
・肉用牛
・豚
・採卵鶏
・肉用鶏

農場HACCP認証のメリット

1.認証を受けることで対外的に農場をアピールすることができる。

2.一般衛生管理とHACCP計画によって、家畜・畜産物の安全性の確保が効率的に行われます。生産活動おけるすべての危害要因を分析し、CCPを設定し、管理を集中させることにより衛生管理システムを簡素化することができます。

3.PDCAサイクルを取り入れることで生産性が向上し、継続的に問題点の改善が行われ、品質が向上に繋がります。

4.農場内の従事者の衛生管理への意識が向上し、事業運営も円滑になります。

5.小規模な農場においても外部のHACCPコンサルタント、獣医師等の協力を得ることで、農場HACCPの認証基準を満たす衛生管理システムを構築することができます。

農場HACCP認証のデメリット

1.認証までに手間、時間がかかる。

2.文書、記録等の書類が増える。

3.多額の費用(コンサル料、審査及び維持費用)がかかる。
→ コンサル料については、自治体によっては、助成金が受けられる可能性があります。

4.人件費が増える。(従業員の負担が増える)

農場HACCP認証基準の概要

No.取組項目内容
1範囲、引用文書、用語用語の定義等
2経営者の責任経営者によるHACCP実施の誓約、HACCPチームの任命、内部・外部コミュニケーションの確立等
3危害要因分析の準備原材料、用途、工程一覧図(フローダイアグラム)の文書化・保持・更新等
4一般衛生管理プログラムの確立とHACCP計画の作成危害要因分析の実施とCCP・許容限界の決定、監視方法・是正措置の確立等
5教育・訓練従事者の教育・訓練の実施等
6評価、改善及び衛生管理システムの更新内部検証の実施、消費者や出荷先からの情報収集・分析、衛生管理システムの改善等
7衛生管理文書リスト及び文書、記録に関する要求事項各要件に関する農場の衛生管理文書の作成等

審査費用について

審査員は、通常2名(主任審査員とその補佐)来社します。
審査の費用は、審査料、宿泊費・交通費を合わせると、20〜30万円程度が相場になると思います。3年後の更新時にも同じく、20〜30万円程度かかります。
また、オプションとなりますが、更新審査前の維持審査を受けるのであれば、
さらに10〜20万円程度が必要になります。
維持審査は任意の審査で、更新審査をパスできるか不安な時に受けると良いと思います。




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