HACCPの考え方を取り入れた衛生管理(基準B)、および、HACCPに基づく衛生管理(基準A)では、冷蔵庫、冷凍庫の温度の測定、食品の中心温度の測定、残留塩素濃度の測定など内容は様々ですが、温度計などの測定機器を用いての計測を頻繁に行うことが必要となります。

しかし、もし、温度計などの測定機器が故障して示す数値に誤りがあったとしたら、どうでしょうか?

測定機器の故障に気づかずに放置されるようなことがあれば、重要管理点(CCP)に関わる温度の測定結果の逸脱を見逃してしまうリスクがあり、非常に危険です。
ここでは、このようなリスクを回避するために行う「校正」について解説したいと思います。

校正とは?

校正とは、定期的に測定器が示す値と標準器が示す値にどれだけの差があるのかを把握し、そのズレを補正し、精度を回復させることです。
実施頻度は、短いに越したことはありませんが、最低でも年1回実施する必要があります。

測定器とは、例えば以下のようなものです。
・冷蔵庫、および冷凍庫の庫内温度計または温度センサー
・温度、湿度計
・中心温度計
・照射温度計
・残留塩素計
・圧力計
・PH計
・TDSメーター
・オゾン濃度計
・重量計
・線量計
など

校正の方法は、千差万別で測定器によって様々ですが、
自主校正(自社で校正を実施する)または、測定器メーカーや校正機関による校正があります。
自主校正は、測定器にもよりますが、比較的簡易的な方法で校正を行います。
例えば、全く同じ機種型番の測定器を複数台用意し、同じ条件で測定を行いそれぞれの測定値の差を確認し、明らかに平均値から逸脱している測定器を補正または新しいものに交換するといった方法です。
但し、高額であったり、物理的に大型の測定器の場合、複数台用意することは現実的ではありません。このような場合、測定器メーカーや校正機関による校正を依頼することになります。
測定器メーカーや校正機関による校正を実施してもらうと、「校正証明書」というものがもらえます。校正証明書は、校正が適切に実施されていることを第三者へ証明するために必要です。校正証明書には有効期限がありますので、定期的に校正を行う必要があります。

校正を行う理由

まず、測定器も機械ですから、故障はつきものです。
冒頭でも述べましたが、測定器の故障に気づかずに放置してしまうと、モニタリングなどの重要な測定結果の逸脱を見逃してしまうリスクがあり、非常に危険です。
逆に言えば、「校正」された測定器を使用しなければ、せっかく頑張ってモニタリングして、記録をしても意味がない(有効な記録ではない)ということになってしまいます。

つまり、「校正」は、

「この測定器が示す値は正しい。よって、モニタリングなどの測定の実施記録が正しい。」

ということを客観的に第三者へ証明するために実施します。

校正と較正

「校正」と「較正」。
どちらも「こうせい」と読み、同じ意味で使われていますが、
計測器の業界では、「校正」ではなく、「較正」のほうが使われることが多いようです。私個人的にも、比較して正すのだから「較正」が良いではないかと思っています。

Wikipediaによれば、
「較正」が本来の表記だが、「較(コウ)」は常用漢字の音訓表にない読みのため、「校正」が使用されているとのことです。

HACCP(ハサップ)とは、アメリカのNASAが考案した衛生管理の方法です。万一、宇宙空間で食中毒が発生してしまうと治療もできず、死活問題であることから、食中毒を起こさない為の高度な衛生管理が必要でした。そこで、NASAが考案したのがHACCPです。
製造工程のどの段階で、どのような対策を講じれば危害要因を管理(消滅、許容レベルまで減少)できるかを検討し、その工程(重要管理点)を定めます。そして、この重要管理点に対する管理基準や基準の測定法などを定め、測定した値を記録します。これを継続的に実施することが製品の安全を確保する科学的な衛生管理の方法です。この手法は、国連食糧農業機関(FAO: Food and Agriculture Organization)と世界保健機関(WHO: World Health Organization)の合同機関であるコーデックス委員会から示され、各国にその採用を推奨している国際的に認められたものです。



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