日本の食中毒の発生状況(平成28年~)をまとめると次のようになります。

事件数患者数死亡者数
平成28年1,13920,25214
平成29年1,01416,4643
平成30年1,33017,2823

(参考)厚生労働省「食中毒統計調査」

年間およそ1,000~1,300件、患者数16,000~20,000人。これだけの被害が出ていますが、実際多いのか少ないのかよくわからないですよね。なので、諸外国と比較してみました。

 患者数死亡者数人口
米国7,600万5,0003億1,500万
フランス75万4006,200万
英国172万6876,160万
オーストラリア540万1202,200万
日本(平成30年)1万7,28231億2,700万

(参考)髙橋梯二(元FAO日本事務所長)「アメリカの食品事故と最近の食品安全対策」(平成21年12月)

上記データだけを見ると、日本は他の国に比べ、安全な国ですよと言えるのかもしれませんが、数字の差があまりに大きすぎる為、果たしてそのまま信用しても良いのかという疑問が生じます。

実は、アメリカの食中毒患者数は、報告をベースにしているのですが、症状が軽いものや患者集団が小さいものは、報告がされないものがあるという前提にたって各種研究・調査を基に一定の割り増しを行っている為、実測値ではないんです。

これに対して、日本では、患者を診察した医者が保険所に通報し、保健所から県へ、県から国へ報告する方法で集計されています。確かに、実数値ではあるのですが、現在の報告制度では、 症状の軽い食中毒にかかった方が医者にいかなかった場合は、カウントされないということです。
従って、日本は、実際はもっと多く発生していると思われる(特に小規模の)食中毒の実態を把握する努力をせず、食中毒患者数を少なく見せようとしているのではないかとの批判もあります。残念ながら、日本の「食中毒統計調査」の患者数は、氷山の一角ということですね。

それにしても、アメリカの患者数多いですよね。
4人に1人のペースで毎年食中毒になってるってことですよね。
本当にHACCPちゃんとやってるのでしょうか!?と疑ってしまいます。

いずれにしても、日本の「食中毒統計調査」についても、より精度の高い推計値が求められることを期待したいと思います。




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