近年、飲食店のアルバイト店員による「バイトテロ」と言われる不祥事によるニュースが世間を騒がせています。
バイトテロは、事前に発生を予測することが難しく、防ぐことが非常に困難であり、罪のない人が犠牲になるテロリズムに似ている為、「バイトテロ」と呼ばれています。

飲食店バイトテロ、約半数が対策なし

バイトテロは、アルバイトを採用している企業、飲食店全てにリスクがありますが、少し前になりますが、東京新聞の夕刊に以下のような記事が掲載されていました。

飲食店バイトテロ、半数超が対策なし(約180店調査)

東京新聞Web
写真

約半数の事業者が「うちは大丈夫」と思っている訳です。

過去にはこんな事件がありました

【やっぱりステーキ】従業員がドリンクサーバーにストローを差して、ジュースを飲む動画をSNSに投稿。
【ファミリーマート】従業員が商品をなめる動画をSNSに投稿。
【セブンイレブン】従業員がおでんを吐き出す動画をSNSに投稿。
【くら寿司】従業員がゴミ箱に捨てた魚をまな板に戻す動画をSNSに投稿。
【すき家】従業員が店内で氷を投げる、調理器具を股間に当てる動画をSNSに投稿
【ビックエコー】従業員が唐揚げを床に擦り付ける動画をSNSに投稿。
等々ありましたが、衝撃だったのが、

【そば店 泰尚(たいしょう)】従業員が洗浄機に入るなどの動画をSNSに投稿。
⇒ その後、店を閉店。店主は自殺。
⇒ 現在、遺族が民事訴訟中でアルバイト従業員に対し、1385万円を損害賠償請求している。

このような痛ましい事件もありました。

加害者への損害賠償請求は難しい

バイトテロを行った本人は単なる悪ふざけだったのかもしれませんが、
企業、飲食店への打撃は計り知れません。
加害者が未成年の場合、損害賠償請求が難しく、当の本人は解雇だけで済んでしまい、企業や飲食店だけが大きな被害を受けているのが現状です。

もちろん、バイトテロを行った本人は、SNSやネット上で批判に晒され、未成年であろうと容赦なく実名が公開されてしまったりする可能性が高いです。
本人がどれだけ反省しても、これらの情報が削除されることなく、ずっと残り続ける訳です。

飲食店でもできるバイトテロ対策

以下の対策を実施することで、アルバイトスタッフがバイトテロを起こせない物理的な環境を作ることができますので、かなりの抑止力になるのではないかと思います。

1.ワンオペを避ける(社員が常に傍に居るような状況を作る)

ワンオペは、最もリスクが高いので、避けてください。
また、アルバイトスタッフだけで勤務するという状況も極力減らし、常に社員が傍に居るような状況が望ましいです。

2.スマートフォン及び私物の持ち込みを禁止する

上記アンケートで、約半数の企業や飲食店が既に実施をしていますが、
スマートフォンや私物の持ち込みを制限すると良いです。HACCP及びフードディフェンスの観点でも非常に有効な対策です。

3.バイトテロを行った場合の処分について契約書に明記する

バイトテロを行うことによる自身へのリスクを採用時にしっかりと説明、同意を得ましょう。また、「本人だけでなく、家族も損害賠償の請求対象となる可能性がある」旨も伝えると良いと思います。

4.衛生管理及びコンプライアンス研修を定期的に行う

HACCPの考え方を取り入れた衛生管理や一般衛生管理、バイトテロなどの内容を含むコンプライアンス研修を定期的に実施しましょう。

HACCP(ハサップ)とは、アメリカのNASAが考案した衛生管理の方法です。万一、宇宙空間で食中毒が発生してしまうと治療もできず、死活問題であることから、食中毒を起こさない為の高度な衛生管理が必要でした。そこで、NASAが考案したのがHACCPです。
製造工程のどの段階で、どのような対策を講じれば危害要因を管理(消滅、許容レベルまで減少)できるかを検討し、その工程(重要管理点)を定めます。そして、この重要管理点に対する管理基準や基準の測定法などを定め、測定した値を記録します。これを継続的に実施することが製品の安全を確保する科学的な衛生管理の方法です。この手法は、国連食糧農業機関(FAO: Food and Agriculture Organization)と世界保健機関(WHO: World Health Organization)の合同機関であるコーデックス委員会から示され、各国にその採用を推奨している国際的に認められたものです。
HACCPの考え方を取り入れた衛生管理とは、
厚生労働省がHACCPの制度化に伴い、新たに設けた日本独自のHACCP基準で、HACCPの考え方を踏襲しながらも、一般飲食店や小規模事業者が取り組みやすい簡易的なHACCPです。



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